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パスカル・ブラトー

創作提案

木を使って調和と統一を表すキューブのオブジェを作る。
この計画作品は統一性と統一体を示し、シンプルで基本的な構造を持つものである。

一つの木材を使って、四角い部分を積み重ねて立方体を作り、Carl AndreやSol Lewittのような必要最低限の構造に触れるものである。
しかし左側の空洞の木片の中心は典型的な家を表す。
これは幽霊のように、近づき難く、ほぼ透明で、空気に振動し、消えて行くようなものである。
この作品のミステリアスで、夢のようで詩的な面は景観をぐっと引き上げるのである。

帰国後計画

ここでの作品はヨーロッパを離れて初めてのものとなり、今後も継続して制作して行く。
異文化と向き合うことで新たなる創造性を生み出すことを期待している。
帰国後、展覧会、ウエブサイトなどで宣伝する予定。
しかし、この後の作品が阿蘇での滞在影響を受けてのものなので最高の宣伝となるかもしれない。

Artist in ASO 2014 での活動紹介

「新くまもと百景」の1位に選ばれた月廻り公園に設置された、インスタレーションのタイトルは、“the other side of the world” 地球の裏側。とにかくパスカルの作品を貫いているモチーフは家、家、家、ナンシーでもベルリンでも阿蘇でも家がテーマなのです。パスカルの家は様々に表現を変え、ある時は金属のフレームで、ある時は雑誌の山で、ある時は言葉で、材木で、シリコンで、テープでという具合です。元々建築家である彼はコミュニティの最小単位は家族が集まる「家」ということで、家をテーマに作品を作り続けていますが、今回の作品は1960?70年代アメリカミニマルアートのカール・アンドレやソル・ルウィットに影響を受けた、コンセプチュアルな作品です。組み上げられた材木を角度を変えて見てみるとそこに逆さまの家の形象が現れます。ヨーロッパから見ればそれが正しい位置、つまりタイトルの地球の裏側を表象しています。この幾何学的でスクエアな透過式の立体物は、雄大な阿蘇五岳を背景に孤立することで風景に絶対的な力を呼び戻しています。対峙することで「自然と人間」の関係を表現したアートといえるでしょう。

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